2024年4月1日 会社変更により
サイトURLが変更になりました。詳しくはこちら

TRANSIT MEAL

げんきのこ

キノコ菌糸に注目した発酵エコフィード

「げんきのこ」とは、キノコを収穫した後の廃菌床を主材料とし、これに副材料として味噌を添加し、発酵させることによって製造した発酵エコフィードです。
菌床の原料は、コーンコブミール、おから、ふすま、米ぬか、大豆の皮です。

キノコを収穫後の廃菌床にはキノコの菌糸がびっしりと詰まっています。
キノコの菌糸を構成するグルカンは、牛の免疫力を増強させるとともに感染症に対する抵抗力を増大させる作用を有しています。
また、グルカンは、牛の体内バランスを調整する作用があり、牛のストレスを低減することができます。

「げんきのこ」は、キノコ収穫後の菌床に、味噌を加えて攪拌し、ビニール袋付のトランスバックに密封貯蔵し,30日間保存して乳酸発酵させ製造しています。

味噌に含まれる乳酸菌の働きによって発酵がすすみ、有機酸やアミノ酸、香気成分が生成されます。

この乳酸発酵により、食味と保存性が向上し、栄養素が増します。

キノコ菌糸に注目した発酵エコフィード

当社代表は、有限会社パルテックと北海道大学大学院の共同で、
「げんきのこ」を投与することによって牛の健康にどう影響を与えるかを研究しています。

2019年に北海道鹿追町の牧場で、「げんきのこ」を60日間、毎日2キロを投与する実験を行いました。実験に用いたのは3頭の黒毛和種の繁殖牛と、8頭の交雑牛の雌牛の合計11頭です。

下の表は、全11頭の牛に「げんきのこ」を投与する前と後の血液変化の平均値です。
全頭において総コレステロール値が大きく下がりました。また、肝機能も改善されることが分かりました。

このことから、「げんきのこ」はコレステロール値を大幅に下げる効果があり、配合飼料を多給する肥育や酪農での利用に適しています。
また、肝機能が改善されるため、お産後や採卵牛の回復にも効果があります。

「げんきのこ」2か月間投与実験
11頭の平均値と±標準偏差値
尿素窒素
mg/dl
総コレステロール
mg/dl
遊離脂肪酸
mEp/l
AST(肝機能)
U/I
y-GT(肝機能)
U/l
アルブミン(肝機能)
mg/dl
血糖値
g/dl
投与前 10.9±1.8 162±46.2 0.24±0.14 91.5±19.9 19.1±4.74 73.9±9.79 3.85±0.29
投与後 7.6±2.8 99±25.4 0.11±0.02 79.0±8.37 16.3±4.3 56.1±18.7 3.82±0.6

「げんきのこ」を投与する前と後に糞を採取して、クロロホルム法でDNAを抽出、PCRで微生物を特定して解析することにより、腸内細菌の変化を調べました。

解析したところ、「げんきのこ」を投与すると腸内細菌の数が増えることが分かりました。また、投与前には存在しなかった細菌が検出されることから、腸内細菌の多様性が増すことが分かりました。

一方で、投与前に優勢で繁栄していた細菌が、投与後には数が減少していました。これは「げんきのこ」を投与することによって、腸内細菌の多様性が増して、拮抗する菌が現れたために減少したと考えられます。このことから「げんきのこ」を投与すると、牛に大腸菌や下痢を引き起こす悪玉菌が侵入したとしても、腸内細菌の多様性があり拮抗する菌がいるため、病気になりにくいと考えられます。

また「げんきのこ」を投与すると、全頭において糞に含まれる微生物の数が増えました。
微生物が多様で量が多い糞は、堆肥の発酵を助けて、良質の堆肥を生産することが出来ます。

  • 腸内細菌の変動 サンプル1
  • 腸内細菌の変動 サンプル2
  • 腸内細菌の変動 サンプル3
  • 腸内細菌の変動 11頭の平均値